【平成27年度】FD実施報告書
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平成26年12月に中央教育審議会から発出された答申「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について~ すべての若者が夢や目標を芽吹かせ、未来に花開かせるために ~」、また、これを受けて平成27年1月に文部科学大臣が決定した「高大接続改革実行プラン」、このプランの中に位置づけられた「高大接続システム改革会議」が同年9月に報告した「中間まとめ」までの一連の議論の流れを本学大学教育イノベーションセンターアドミッション部門の當山先生と大学入試センター研究開発部長の大津先生に解説をいただいた。大津教授が解説してくださったのは、主に「中間まとめ」であったが、改革会議の「最終報告」ではないために、論評を避ける形での解説であった。このため、参加者の中には「講演が中途半端」という印象を持たれた方も多いようであったが、その一方でこれまでの議論の流れや今回の入試改革の問題点が明確になり、改革の意義や実行性に疑問を持たれた方も多くいた。今回のFDでは、これから進められようとしている、高校教育改革、大学教育改革、そして特に大学入学者選抜の改革に対する共通認識を持ってもらうことが主目的であった。FDのタイトルが「入学者選抜方法の改善に関するもの」という大きな括りであったため、タイトル10.実施したFDの成果等 (1) 参加者からの評価 ※ 内容は、別添3:アンケート集計表を参照 (2) 総 括(10(1)を踏まえFD全体の総括を記述する) と中身との不一致を指摘された方もおられたが、入学者選抜方法を改善するためには、それに関わる人々が同じ共通認識、課題意識を持つことが必要である。具体的な課題への取り組みの前に知っておいていただきたいことを今回は敢えて取り上げさせていただいた。 當山先生の話の重要な部分は、個別入試における「思考力・判断力・表現力」及び「主体性・多様性・協働性」の評価であった。これらを実際に評価するに当たって、何をイメージすれば良いのかを、當山先生は、国際バカロレアのプログラムが掲げる学習者像を示して、解きほぐしてくださった。その学習者像とは、「探求する人、知識のある人、考える人、コミュニケーションができる人、信念をもつ人、心を開く人、思いやりのある人、挑戦する人、バランスのとれた人、振り返りのできる人」である。これらの具体的な要素を質的・量的に評価することで、「思考力・判断力・表現力」及び「主体性・多様性・協働性」の評価につながるのではないかというお話であった。その検証を行うために現在AO入試を経て入学してきた学生について、さまざまな分析を行っておられるということであった。今後の進展を多くの参加者が期待していることが伺えた。 大津先生の話のエッセンスは、最後の2枚のスライドに凝縮されていた。それは、今回の「改革実行プラン」と「中間まとめ」に対する私見が述べられたものであった。新3

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