【平成30年度】FD実施報告書
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ございました。 ・私自身、ルーブリックでは厳しく評価を行っており、それによって学生の伸びを感じています。ただ、それに満足せずに、より精緻化したものに改善する必要を感じました。 ・ルーブリックの内容をあまり理解していない状態での参加でしたが、グループワークを通して他のグループメンバーやファシリテーターの方とのやりとりにより、かなりイメージしやすくなりました。使いこなすには実践と経験が大切であることを感じましたが、学生指導にはかなり有効なツールであると認識しました。 Ⅲ.長崎大学FDとしてとりあげるテーマ・内容についてご意見・ご要望をご記入下さい。 ・東大の栗田先生が主導しているTPチャートを体験してみたい。 2. 総 括 今回のFDは,「わかる!作れる!ルーブリック!」というタイトルで,「ルーブリックとは何か」からはじまり,使用するメリット,留意点を学んだ後に,実際に2グループに分かれて,課題ルーブリックを作成し,学生が書いたレポート課題を評価した。 ルーブリックとは,課題あるいは科目等に対する明示された評価観点(複数)とそれについての評価尺度(複数)によって,評価の視覚化・客観化を可能にするツールであり,基本は,従来からあった,評価項目別の表と似ている。しかし,ルーブリックを作成したり,明示して議論したりすることにより,1)教員と学生や,オムニバス授業での教員同士の意思疎通が明確になり,2)目標が明確になることで授業も改善され,3)何を目指せばよいかが明確になるため、学生のやる気や勉強方法の改善につながるなど,多くのメリットがあることがわかった。 また,グループワークでは評価観点も評価尺度も深化させていくこともできたし(項目が多くなっていく傾向がある),それぞれの観点・尺度の中身を説明する評価基準を考えることで,評価観点・尺度を見直すこともできた。ただ,これをどんどんやっていくと,ルーブリックが複雑になりすぎるので,深く考えた後に,簡素化することがコツだと思えた。 個人的感想としては,良く工夫されたFDであったので,参加者が少なかったのは残念であった。それは「ルーブリック」という言葉がそもそも弊害となっているのではないかと思う。「FD」にしても,「ルーブリック」にしても,内容を表す日本語概念の導入が急務だと考える。 (文責:熱帯医学・グローバルヘルス研究所 門司 和彦) 3

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