【令和2年度】FD実施報告書
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9 (2) 総 括(10(1)を踏まえFD全体の総括を記述する) 今回のFD・SDは,特にオンライン授業の環境下で,障害のある学生がどのような困難を経験し,どのような課題が潜んでいるのかについて当事者の学生との対談を通して明らかにすることがねらいの一つであった。同時に,学生の体験と声を通じて教職員の障害に対する理解を向上させ,「学びのユニバーサルデザイン」の考えを紹介することで,学生が経験する困難の軽減につながることも期待されていた。 今回は83名が受講証明書(SDにおいては「SD受講登録」)を申請し,そのうち66名(79.5%)から受講後のアンケートに回答があった。アンケート項目のうち,「業務に役立つ内容だった」 「障害について理解が深まった」 「学生が感じている困難が具体的に理解できた」に関する評価が高かった(各項目のおいて60名以上が「大変そう思う」または「そう思う」と回答)。また,59名が「オンライン授業の改善点が明らかになった」と回答したことから,多くの受講者は授業等に関するなんらかのヒントが得られたことが示唆された。 一方,「合理的配慮に関する疑問が解消した」について「大変そう思う」(12名)または「そう思う」(39名)と回答した受講者は51名にとどまったことから,やはり合理的配慮に関する疑問点がまだ多く存在することもうかがえた。また,これに関連して,「今後,障害理解や支援に関するFD・SDでどのような内容を希望しますか」という問いに対し,合理的配慮の事例紹介や具体的な対応に関する内容を希望する声が多く寄せられた。合理的配慮の考え方やその対応が「常識」になるのに時間がかかると考えられ,このようなご意見が寄せられたことはある意味当然であると思いつつ,引き続き合理的配慮に関する理解と啓発の活動が必要であることも示されたと考える。 また,今回はこれまでになかった「対談」という形式で実施され,「学生の生の声が聴けた」ということについて称賛の声も多く寄せられ,有意義な試みであったことが示されたといえると思う。さらに,今回の回答から,合理的配慮について前向きに取り組まれている教職員が多く存在することも改めて明らかになり,今後のFDの企画と実施において役立てたいと思う。 11.実施代表者の連絡先 部 局:障がい学生支援室 職 名:助教 氏 名:ピーター・バーニック e-mail:bernick@nagasaki-u.ac.jp 内 線:2006 12.申請者の連絡先 部 局:(同上) 職 名: 氏 名: e-mail: 内 線:

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