長大生の自立的な学びの仕組み

長崎大学では4年間ないし6年間の教育プログラムに定められた単位を修得し、さらに、

  1. 自ら学び,考え,主張し,行動することができる。
  2. 分野・領域を超えて活用できる汎用可能な技能を身につけている。
  3. 専門職業人や研究者としての基盤的知識・技能を習得し,高い倫理観を身につけている。
  4. 地球環境と社会の多様性を理解している。
  5. 主体性をもって他者と協働できる。
  6. 地域社会および将来世代に貢献するグローバルな視点を身につけている。(長崎大学 全学ディプロマ・ポリシー)

と認められた者に対し,学位(学士)を授与することになっています。

これは全学で求められている卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)ですが、各学部・学科・コース等には専門分野別のポリシーも掲げられています。学生は知識・技術のほか、全学および各部局のポリシーに掲げられているこれらすべての能力・態度を在学中に身につけなければなりません。

在学中にどのようにこれらの能力・態度を身につければよいでしょうか。

長崎大学はアクティブ・ラーニングを進めています。アクティブ・ラーニングとは自立的な学び のことです。長崎大学は教養教育から専門教育まで、学生の主体性や協働性を育むようアクティ ブ・ラーニングを促す手法や少人数による教育を積極的に取り入れています。また、主体的な学 びを確立するために、LACS(Learning Assessment & Communication System)と呼ばれる主体的 学習促進支援システムも備えています。この LACS には学修ポートフォリオ、各授業のレポートの 提出や配付資料の受け取り、さらに教員や受講生同士のコミュニケーション機能があります。

さらに、自立的な学びを促すために、シラバス、授業アンケート、学修状況報告、学修ポートフ ォリオを結びつけて、さまざまな角度から能力・態度を確認できるよう整備しています。

在学中の学びの記録としての学修ポートフォリオは卒業時の「総合評価」にも用いられます。こ れは長崎大学のカリキュラム・ポリシーに明記されています。

カリキュラム・ポリシー(抜粋)

学生は学修ポートフォリオシステムに自らの学修成果を随時蓄積します。学修ポートフォリオを振り返ることで自らの成長の軌跡を確認することができます。また,学修ポートフォリオはメン ター教員による学生の指導・助言の資料として利用されます。さらに,卒業時には大学における 学修成果の総合評価のための資料としても活用されます。

まず、各授業でどのような能力・態度を身につけることができるかはシラバスの「知識・技術以 外に、この授業を通して身につけて欲しい力」を確認してください。主体性、汎用的能力、倫理 観、多様性の理解、協同性、考えをやり取りする力、国際・地域社会への関心の7項目のうち、 どの能力・態度を身につけて欲しいかが明記されています。

授業でその能力・態度が身についたかどうかは授業アンケートの「この授業を通して、あなた自 身の行動や態度は変化したと思いますか」でチェックできます。

  1. 新しい知識・技能が身についた(語学力を含む)
  2. 倫理観が身についた
  3. 自分で調べたり、勉強したりするようになった
  4. 考えやものごとの根拠について論理的に考えるようになった
  5.  計画的に物事を進めるようになった
  6. 自分の意見を表現するようになった
  7. ある事柄について他者と意見を交換するようになった
  8. 異なった考え方をもつ他者とも柔軟に協働するようになった
  9. 多少の困難があってもやるべきことをやり遂げるようになった
  10. 集団やグループの中で自分の役割を積極的に果たすようになった
  11. 社会的な問題について意識するようになった
  12. その他
  13. とくに何も変わらなかった

授業アンケートでチェックした項目は、学修ポートフォリオ内に蓄積され、これまでいくつの授業でそれらの能力・態度を身につけることができたか確認できるようになっています。これは履修する授業を選択するときに役立ちますし、また、他の人と比較することで自分自身の履修傾向を知ることができます。

また、学修ポートフォリオ内の能力の自己評価ルーブリックを半期に一度チェックすることで、みなさんのそれぞれの能力の状況が把握できるようになっています。チェックする能力は上記の全学のディプロマポリシーに載っている能力に加え、各部局それぞれに必要な能力を評価できるようになっています。

さらに、入学時と年度末に実施している学修状況報告の中の以下の行動の頻度についての項目も学修ポートフォリオの中に蓄積され、他の人と比較できるようになっていますので、自分自身の行動を見直すことができます。

A. 自身の長所と短所について深く理解し、強みの部分を発揮する

B. 自己の成長課題を定め、達成のための行動をとる

C. 自らの行動を自分で決める

D. 多様な情報源から複数の信頼できる情報を集める

E. 自ら集めたデータや情報を適切に分析し、結果について論理的に正しく解釈する

F. 改善すべき、あるいは、解決すべき問題の本質を理解し、解決に向けた創意工夫のある行動をとる

G. 得られた情報や他の人の意見の根拠・論拠について検討する

H. さまざまな事柄について倫理的な観点から検討する

I. 自分とは異なる価値観や社会的・文化的背景を学ぶ

J. 身の回りの環境に加え、地球全体の異なる環境について、その多様性を理解する

K. 自らの役割・仕事・課題は何かを認識しており、それに責任を持って取り組む

L. 他の人と協力して物事に取り組む

M. ある事柄について他者と建設的に意見を交換し、話し合ったり議論したりする

N. 地域の環境・社会・人の問題に関心を持つ

O. 日本以外の国やグローバル社会の問題に関心を持つ

P. 社会問題に関心を持つ

このように長崎大学では在学中に培うべき能力基準を全学ディプロマポリシーおよび各部局のディプロマポリシーに定め、シラバス、授業アンケート、学修状況報告、能力の自己評価ルーブリックは一貫性をもって設計されています。

大学で育成した能力・態度は本当に卒業後も活かされているでしょうか。長崎大学は4年に一度、卒業生とさまざまな企業に協力を依頼し、卒業生調査と企業調査を実施しています。これは長崎大学の教育が本当に意味のあるものなのか、改善すべきところはないか、の検討に役立てています。

以上のみなさんの授業アンケート、学修状況報告、能力の自己評価ルーブリックの回答は、各授 業のシラバスを比較し、各授業や各部局のカリキュラムに不足しているところ、改善すべきとこ ろなどが検討され、大学の教育改善にも用いられます。

さまざまな能力・態度は授業のみでなく、サークル活動やボランティア活動といった課外活動で も身につきます。在学中、いろいろな経験をしてください。